クリニックのM&A事例 【関東】

医療法人が運営するクリニックの譲渡を助言|T社さま

譲渡企業 T社さま
業種 クリニック
事業内容 眼科クリニック
売上 約1億円
地域 関東
設立 1980年代
経営者の年齢
譲渡理由 事業承継
譲受企業 S社さま
業種 クリニック
事業内容 眼科クリニック
売上 約3億円
地域 関東
設立 1990年代
上場の有無
譲受目的 分院の開設

-みつきコンサルティングの担当者として、本日はクリニックの事業承継について、K先生にお話を伺います。まず、ご自身のクリニックの事業承継を検討されたきっかけについてお聞かせください。

 私も年齢を重ね、いつまでも現役でいられるわけではありません。30年以上続けてきたこのクリニックを、患者さんのためにも、スタッフのためにも、しっかりと引き継いでいく必要があると考えたのがきっかけです。また、普段からオペを行うのですが、年齢を重ねるにしたがい体力的にもきつくなってきたこともあります。

当地にて、長年診療に携わってきて、地域医療に貢献できたことを誇りに思っています。しかし、医療技術の進歩は日進月歩で、より高度な医療を提供するためには新しい設備や若い力が必要だと感じていました。

 

-承継先を探す過程で、どのような点を重視されましたか?

 やはり一番は、患者さんへの医療の質を落とさないことです。特に、より高度なオペを地元のクリニックでできるようになればいいなと考えていました。また、長年一緒に働いてきたスタッフの処遇にも配慮してくれる方を探していました。そして、この地域の医療に貢献してくれる方、というのも重要なポイントでした。単に経営を引き継ぐだけでなく、地域医療の発展に寄与してくれる方を望んでいました。

 

-そうした中で、I先生とお会いになったわけですが、最初の印象はいかがでしたか?

 実はI先生とは以前から面識がありまして、その点では安心感がありました。近隣で開業されているIクリニックの評判も良く、オペの腕も確かだと聞いていましたので、医療の質という面では申し分ないと思いました。また、この地域の医療に対する熱意知っていましたし、私の考えと合致していると感じました。I先生は最新の医療技術にも精通されており、クリニックの将来像についても具体的なビジョンをお持ちでした。それを聞いて、私のクリニックがさらに発展する可能性を感じ、期待が高まりました。

 

-具体的な承継の話が進む中で、どのような点が課題になりましたか?

 最初は医療法人の持分譲渡を想定していたのですが、I先生の意向で事業譲渡という形に変更になりました。これにより、手続きや税金面での影響が出てくるので、その点は担当者の方に丁寧に説明していただき、理解を深めていきました。また、クリニックの改装についても話し合いを重ねました。事業譲渡という形態に変更になったことで、当初想定していなかった課題も出てきましたが、みつきコンサルティングの方々が専門的な観点から丁寧にサポートしてくださったおかげで、スムーズに進めることができました。

 

-クリニックの改装については具体的にどのような議論がありましたか?

 I先生は、より高度な医療を提供するために大規模な改装を希望されていました。私としては、長年慣れ親しんだ場所が大きく変わることに少し寂しさを感じましたが、患者さんにとってより良い環境になるのであれば、それは歓迎すべきことだと考えました。ただ、工事期間中の営業停止については心配もありました。患者さんへの影響を最小限に抑えるため、工事期間や代替診療の方法などについて、細かく話し合いを重ねました。また、改装に伴う費用や、新しい医療機器の導入についても議論しました。I先生は最新の設備を導入する計画を持っておられ、それによって提供できる医療サービスの幅が広がることに期待を感じました。

 

-スタッフの処遇については、どのようなお考えでしたか?

 長年一緒に働いてきた仲間ですから、できる限り全員を引き継いでほしいという思いがありました。ただ、I先生にも新しい体制で運営していく上での考えがあるでしょうから、そこは柔軟に対応しようと思っていました。結果的に、ほとんどのスタッフが継続して働けることになり安心しています。スタッフたちは私と共にこのクリニックを支えてきた大切な存在ですので彼らの経験や患者さんとの信頼関係は、クリニックの大きな財産だと考えています。I先生もそのことをよく理解してくださり、スタッフの継続雇用に前向きな姿勢を示してくださいました。

 

-事業承継の過程で、特に印象に残っているエピソードはありますか?

 そうですね、I先生と2回目の面談をした時のことが印象に残っています。その時、妻も同席したのですが、I先生が妻に対しても丁寧に説明してくれて、クリニックの将来像を熱く語ってくれたんです。妻も「新しいクリニックが楽しみ」と言っていて、その時に「この人なら任せられる」と確信しました。I先生は単に事業を引き継ぐだけでなく、クリニックの未来に対する明確なビジョンを持っておられました。最新の医療機器の導入や、地域医療への貢献について具体的な計画を示してくださり、私たち夫婦も大変感銘を受けました。また、スタッフや患者さんへの配慮も忘れずに話してくださったことも、大きな安心感につながりました。

 

-みつきコンサルティングのサポートについては、どのように感じられましたか?

 本当に心強かったです。特に、行政手続きの面では素人の私たちには分からないことばかりで、担当者の方が細かくフォローしてくれたおかげで、スムーズに進めることができました。また、I先生との交渉の場面でも、私の意向をしっかりと伝えつつ、双方にとって良い落としどころを見つけてくれました。M&Aの世界は我々医療従事者にとっては未知の領域です。法的な問題や税務上の課題など、専門的な知識が必要な場面が多々ありましたが、みつきコンサルティングの方々が適切なアドバイスをしてくださいました。特に、事業譲渡のスキームに変更になった際も、その影響や対応策について丁寧に説明していただき、不安なく進めることができました。また、I先生との交渉においても、私の意向を尊重しつつ、専門的な見地から適切な助言をいただき、円滑に話を進めることができました。

 

-事業承継が決まった今、どのようなお気持ちですか?

 正直なところ、寂しさと安堵感が入り混じっています。30年以上続けてきたクリニックを手放すことは、想像以上に感傷的なものがありますね。でも同時に、これからは違う形で人生を楽しめる、新しいステージに立てるという期待もあります。何より、患者さんたちにより良い医療を提供できる体制が整うことを嬉しく思います。長年診療に携わってきた中で、多くの患者さんとの思い出があります。皆さんの健康を守り、支えてきたことは私の誇りです。そのような大切なクリニックを手放すことは、確かに寂しさもあります。しかし、I先生のような優秀な医師に引き継いでもらえることで、クリニックがさらに発展し、患者さんにより良い医療を提供できると思うと、大きな安心感があります。また、私自身も完全に引退するわけではなく、非常勤として関わり続けられることも嬉しく思っています。これからは、長年の経験を活かしながら、違った形で医療に貢献していけることを楽しみにしています。

 

-最後に、これから事業承継を考えている医療機関の経営者の方々へメッセージをお願いします。

 まず、早めに検討を始めることをお勧めします。私の場合は、みつきコンサルティングの方々のサポートもあって、比較的スムーズに進みましたが、それでも想定外の出来事はありました。時間的余裕を持って進めることが大切だと思います。また、承継先を選ぶ際は、単に条件面だけでなく、自分の理念や患者さんへの思いを共有できる相手かどうかをしっかりと見極めることが重要だと感じました。そして、専門家のサポートを受けることも非常に有効です。M&Aの世界は我々医療従事者にとっては未知の領域。プロの力を借りることで、より良い結果に結びつくと思います。

 

事業承継は単なる経営の引き継ぎではありません。長年築き上げてきた患者さんとの信頼関係、スタッフとの絆、地域医療への貢献など、目に見えない価値も含めて引き継いでいくものです。だからこそ、承継先の選定は慎重に行う必要があります。私の場合は、I先生という理想的な承継先に巡り会えましたが、これは早めに準備を始め、多くの方々の協力を得られたからこそだと思います。

 

承継の過程では、自分の思い描く理想と現実のギャップに直面することもあると思います。その際は、柔軟な対応をされることをお勧めします。例えば、私の場合も当初は医療法人の持分譲渡を考えていましたが、結果的に事業譲渡という形になりました。このような変更に対しても、専門家のアドバイスを受けながら冷静に判断することが重要です。

 

そして、スタッフへの配慮も忘れてはいけません。彼ら・彼女らは長年クリニックを支えてくれた大切な存在です。承継の過程では、スタッフの不安や懸念にも耳を傾け、丁寧に対応していくことが求められました。私の場合も、スタッフとの面談や説明には特に気を配りました。

 

事業承継は終わりではなく、新たな始まりだということを忘れないでください。私自身も、クリニックを手放すことに寂しさはありますが、同時に新しいクリニックにも期待しています。これからは違った形で医療に貢献していく道を模索していきたいと思っています。皆さんも、事業承継を単なる引退の手段としてではなく、新たなステージへの踏み出しとして捉えていただければと思います。

 

-貴重なお話をありがとうございました。今後のご活躍を心よりお祈りしております。

 こちらこそ、ありがとうございました。これからは違った形で医療に貢献していきたいと思います。そして、非常勤で診療を継続していますので新しくなったクリニックの成長を少しでもサポートしていきたいですね。今回の事業承継を通じて、私自身も多くのことを学びました。医療技術の進歩は日進月歩で、常に新しい知識や技術を取り入れていく必要があります。I先生のような若い世代の医師が、最新の医療を提供していくことで、このクリニックがさらに発展していくことを楽しみにしています。

 

また、この過程で多くの方々のサポートをいただいたことに、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。みつきコンサルティングの皆様、I先生、そして長年支えてくれたスタッフや患者さんたち。皆様のおかげで、このような形で事業承継を実現することができました。

これからは非常勤として関わりながら、若い世代の医師たちをサポートしていきたいと思います。30年以上の経験で培った知識や患者さんとの関係性は、きっと何らかの形で役立つはずです。

 

この経験を通じて、医療機関の事業承継の重要性を改めて認識しました。高齢化が進む中、多くの先生方が同じような課題に直面していると思います。私の経験が、少しでも他の先生方の参考になれば幸いです。

これからは新たな人生のステージに立つことになりますが、医療に携わる者として、引き続き地域の健康に貢献していきたいと思います。そして、この当地に、さらに素晴らしい医療が発展していくことを、心から願っています。

 

-本日は貴重なお話をありがとうございました。先生の今後のご活躍を心よりお祈りしております。

 こちらこそ、ありがとうございました。この経験を多くの方々と共有し、医療界全体の発展に少しでも貢献できればと思います。そして、新しくなるクリニックの今後の成長を、楽しみに見守っていきたいと思います。

           

この案件・類似案件の担当者

▷ 西尾 崇 事業法人第三部長


宅食事業を共同経営者として立ち上げ、CFOとして従事。みつきコンサルティングでは、会計・法務・労務の知見を活かし、業界を問わず、事業承継型・救済型・カーブアウト・MBO等、様々なニーズに即した多数の支援実績を誇る。

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