クリニックのM&A事例 【関東】

地場オーナー系クリニックの譲渡を助言|F社さま

譲渡企業 F社さま
業種 クリニック
事業内容 総合内科
売上 約1億円
地域 関東
設立
経営者の年齢
譲渡理由 事業承継
譲受企業 Sさま
業種 医療業
事業内容 内科医
売上
地域 関東
設立
上場の有無 非上場
譲受目的 独立開業の手段として

-今回のクリニック譲渡の背景について教えてください。

長年、地域の方々に支えられて診療を続けてきましたが、私自身の健康状態が少しずつ気がかりになってきました。緑内障や糖尿病といった持病があり、このまま一人で診療を続けることに不安を覚えるようになったため、事業承継を決断しました。また、何人かの患者さんから往診の希望をいただいていたのですが、今の体力では対応しきれずお断りをしなければならなかったのも理由の一つです。

-譲渡を決意するにあたり、どのような準備を進められましたか?

近所で承継をされた先生がいらっしゃったのでお話を聞くところから始めました。その先生からは承継が完了するには数年かかるとききましたので、まだ余力があるうちに専門家へ相談しようと考えました。

その際に、知人から紹介されたみつきコンサルティングさんにご相談しながら、スムーズに承継できるよう計画を立てました。

-譲渡を進めるにあたって、具体的にどのような課題がありましたか?

一番大きな課題は、クリニックの財務状況が十分に整備されていなかった点です。個人医院として運営してきたため、財務諸表が不完全で、資産や負債の正確な把握が困難でした。特に、内装や医療機器の評価額を決める際にはみつきコンサルティングさんの担当者に相談し、サポートいただきました。また、スタッフや患者さんへの情報共有のタイミングに関してもアドバイスをいただき、一番影響が少なくなるよう配慮いただきました。

-その課題をどのように解決されたのですか?

みつきコンサルティングの担当者に細かく助言をいただきながら、財務データを整理し、譲渡価格の算出を進めました。うちのクリニックは自宅の1階にあるのですが、賃料設定に関しては近隣の類似クリニックとの比較を行っていただき、市場価格を参考に決定しました。このプロセスは大変でしたが、最終的に納得できる価格を設定することができました。また、スタッフへの説明については、段階的に進めることで、不安を最小限に抑える努力をしました。

-承継先としてS先生を選ばれた理由は何でしょうか?

面談でお話しした際に、非常にバランスの取れた方で、患者さんやスタッフにとって安心できる環境を作ってくださると確信しました。うちのクリニックの患者さんは高齢の方が多く、S先生の雰囲気は患者さんも安心してくれると思えたことも大きな理由です。

また、何よりも地域医療に対する熱意が感じられたのが決め手です。私がやりたくてもできなかった訪問医療をS先生は積極的に行われるおつもりで、通常診療における患者さんへの診療だけではなく、地域への貢献とクリニックの経営に対し具体的なビジョンを持っておられ、その点が非常に魅力的な先生でした。

S先生との面談ではどのようなことを話されましたか?

当地での地域医療における課題や今後の展望についてお話ししました。

このあたりは首都圏とはいえ、高齢化が進みクリニックへアクセスできない患者さんも増えてきています。そういった地域の特徴や患者さんの傾向についてもお伝えしました。

また、連携している病院についてもお話しし、たまたまですが共通の知り合いがいることが分かりお話が盛り上がったのを覚えています。

S先生は非常に熱心に耳を傾けてくださり、将来の構想も具体的で信頼できる方だと感じました。特に、訪問診療を充実させたいというお考えには共感を覚えました。

S先生の人物像について、もう少し教えていただけますか?

S先生は非常に落ち着いていて、慎重な方です。クリニックの運営においても、勢いだけでなく細部にまで気を配る姿勢が伺えました。また、患者さん一人ひとりに寄り添うことを大切にされており、スタッフに対しても配慮を欠かさない点が印象的でした。特に訪問診療への熱意は素晴らしく、ライフワークにされている先生です。そういった点から地域医療に対する思いが私と共通していると感じました。さらに、スタッフや患者さんの意見を尊重する姿勢には感銘を受けました。

-みつきコンサルティングに相談されたきっかけは?

承継を考え始めたときは誰に相談すればいいか全く見当がつきませんでした。おお世話になっている業者さんに悩みを打ち明けたところ、みつきコンサルティングの担当者を紹介いただきました。担当の方ははじめから非常に丁寧に進めてくださり、安心感がありました。特に、クリニック特有の事業承継における専門的なアドバイスが心強かったです。最初の説明から明確で、手続きが複雑な部分も丁寧にフォローしていただけました。

-譲渡プロセスの中で、みつきコンサルティングのサポートで特に印象に残った点は?

やはり担当者の方の丁寧な対応ですね。契約の細部に至るまでしっかりとサポートいただき、不安を感じることがほとんどありませんでした。また、譲渡後の行政手続きや従業員説明会のサポートも非常に助かりました。複雑な行政手続きが多かった中で、私一人では絶対にできなかったなと今では感じますし、結果としてスムーズに進められたのは担当者の方のお陰だと思います。さらに、手続き面や財務的なアドバイスだけでなく、地域特性からみたクリニックの将来あるべき姿に関する具体的なアドバイスをいただけたのが印象に残っています。

あまり詳しくはお話しできないのですが、何人かの承継候補の先生がいらっしゃいました。

その中で、地域特性を考慮したS先生を薦めてくれたことは結果的に非常に良かったと感じています。

-譲渡後に求めるクリニックの姿はどのようなものでしょうか?

患者さんにとって安心して通える場所であり続けてほしいと願っています。訪問診療を始めるなど、これまで以上に地域の医療に貢献する場として発展してくれればいいとも思います。また、スタッフが働きやすい環境を維持し、新しい取り組みを積極的に取り入れてほしいと思います。地域の皆さんにとって、「ここに行けば安心できる」と思っていただける場所であってほしいです。

-新しいクリニックで導入予定の設備や方針について教えてください。

新しいクリニックでは、訪問診療に必要な設備の導入を進めています。具体的には、今まで私一人で全ての診療を担っていたところ、複数の医師による診察を可能にしましたし、患者さんが快適に過ごせるよう、待合室や検査室のリニューアルも行いました。S先生の方針で、患者さんの声を積極的に取り入れる運営スタイルを目指しています。具体的には、電子カルテの導入やオンライン診療のシステム構築も計画されています。

-地域医療の重要性についてどのようにお考えですか?

地域医療は、患者さんの日常生活に直結する役割を担っています。特に高齢化が進むこのあたりでは、予防医療や訪問診療の需要がますます高まっています。こうしたニーズに応えられる体制を整えることが、これからのクリニックに求められると思います。地域社会全体の健康を守るためには、医療と生活の橋渡しができる存在が必要です。

S先生が目指す新しい診療体制について、どのように思われますか?

前提として、クリニックはお譲りしたのでS先生のやりたいようにやってくれればと考えています。その上で、S先生の方針は非常に素晴らしいもので、地域医療の未来を見据えたものだと思います。また、患者さんやそのご家族との信頼関係をさらに深めるための取り組みも期待しています。S先生の方針には、地域の皆さんに寄り添っていこうという気持ちが込められていると感じます。

-これからM&Aを検討する方に何かアドバイスはありますか?

まず、自分が求める承継のイメージをもたれることが大事だと思います。自分の気力・体力と相談しながら、承継時期やお相手に求めることを考えてみてください。

承継の途中で迷うこともあるかと思いますが、みつきコンサルティングのような専門家の力を借りることで、不安が軽減されると思います。

-最後に、今回のM&Aを振り返っての感想を教えてください。

振り返ると、自分一人ではここまでスムーズに進められなかったと思います。理想的な先生に引き継いでいただけたので、本当に感謝しています。新たな一歩を踏み出す勇気を持てたのは、みつきコンサルティングの皆さんのおかげです。この経験を通じて、地域の方々への感謝の気持ちも改めて感じることができました。

 

           

この案件・類似案件の担当者

▷ 西尾 崇 事業法人第三部長


宅食事業を共同経営者として立ち上げ、CFOとして従事。みつきコンサルティングでは、会計・法務・労務の知見を活かし、業界を問わず、事業承継型・救済型・カーブアウト・MBO等、様々なニーズに即した多数の支援実績を誇る。

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