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タイ|最低賃金引き上げを2025年から実施・日本人駐在員への影響は?

(日本語) イの最低賃金委員会が2025年1月1日から最低賃金を引き上げることを決定しました。本記事では、新しい最低賃金の詳細、日本人駐在員や日系企業への影響、そしてタイの最低賃金の推移について解説します。 タイの最低賃金引き上げ決定の概要 2024年12月23日、タイの最低賃金委員会は2025年1月1日より、タイ全土で最低賃金を引き上げることを決議しました。この決定は、タイの労働市場に影響を与えると同時に、タイで事業を展開する日系企業や、タイに駐在する日本人にとっても影響する可能性があります。 2025年1月1日からの最低賃金 新しい最低賃金は、タイ全77県で一律に引き上げられることになりました。具体的な金額は以下の通りです。1日あたり、例えばバンコクは372バーツ、チェンマイは380バーツ、プーケットは400バーツに引き上げられます。 県改定後チャチュンサオ、プーケット、チョンブリ、ラヨーン、スラタニ(サムイ島)400チェンマイ(都市部のみ)、ソンクラー(ハジャイのみ)380バンコク、ナコンパトム、ノンタブリ、パトゥムタニ、サムットプラカン、サムットサコン372 ナコンラチャシマ359サムットソンクラム358アユタヤ、サラブリ、プラチンブリ、コンケン、チェンマイ(都市部を除く)357ロッブリ356ナコンナヨック、スパンブリ、ノンカイ355クラビ、トラート354スラタニ(サムイ島を除く)、ソンクラー(ハジャイを除く)、パンガー、ウボンラチャタニ、チャンタブリ、ムクダハーン、サコンナコン、カンチャナブリ、プラチュアップキリカン、サケオ、ナコンパノム、ブリラム、ピサヌローク、チェンライ、ターク352チュムポン、ペチャブリ、スリン351ナコンサワン、ヤソトン、ランプーン350カラシン、ナコンシータマラート、ブンカン、ペチャブーン、ロイエット349チャイナート、チャイヤプーム、シンブリ、アントン、パタルン348ルーイ、ウタラディット、ラノーン、サトゥーン、ノンブアランプー、マハサラカム、シーサケート、アムナートチャルーン、メーホンソン、ランパン、スコタイ、カンペンペット、ピチット、ウタイタニ、ラチャブリ、ウドンタニ347トラン、ナーン、パヤオ、プレー345ナラティワート、パタニー、ヤラー337 この改定により、最も高い最低賃金が適用される地域では、1日あたり400バーツとなります。これは、タイの労働者の生活水準向上を目指す政府の方針を反映したものと言えます。 地域別の最低賃金の変更点 タイの最低賃金は、地域ごとに異なる金額が設定されています。これは、各地域の経済状況や生活コストの違いを考慮したものです。 バンコクを含む首都圏や、チョンブリ、ラヨーンなどの主要工業地帯では、最も高い最低賃金が適用されます。これらの地域は、経済活動が活発で生活コストも高いため、労働者の賃金も相対的に高く設定されていると考えられます。 現地スタッフの給与調整 日本人駐在員が管理職として働いている場合、現地スタッフの給与決定に関与する場合が多いかと思いますので以下の点に注意が必要です。 最低賃金以上の給与調整 自社の従業員を最低賃金近辺で雇用されている場合、最低賃金改定後の額を下回っていないか確認する必要があり、新しい最低賃金に合わせて調整する必要があります。 給与体系全体の見直し 最低賃金の引き上げにより、他の給与レンジの従業員との給与差が縮小する可能性があります。公平性を保つため、給与体系全体の見直しが必要になる場合があります。 日本人駐在員は、これらの変化に適切に対応することで、現地スタッフとの良好な関係を維持し、組織全体のパフォーマンス向上につなげることが求められます。 タイの最低賃金の推移 タイの最低賃金は、経済成長や政治情勢の変化に伴い、徐々に引き上げられてきました。この推移を理解することは、今回の引き上げの意義や今後の展望を考える上で重要です。 過去10年間の変遷 タイの最低賃金は、過去10年間で大きな変化を遂げました。主な変更点は以下の通りです。 2013年:全国一律300バーツへの引き上げ    - これは、タイの最低賃金制度において画期的な変更でした。当時の政権の公約として、それまで地域ごとに異なっていた最低賃金を、全国一律で300バーツに設定しました。 2017年:数年据え置きからの再度引き上げ    - 2013年に全国一律300バーツに引き上げられてから据え置かれていましたが、労働界からの引き上げ要望が根強く、協議の結果、各県ごとに最低賃金の引き上げ額が決定されました。 バンコクを含む7都県が10バーツ引き上げられ310バーツに改定、その他の県で5バーツから8バーツ引き上げられました。 2020年:小幅な引き上げ      - 新型コロナウイルス感染症の影響を考慮しつつ、小幅な引き上げが実施されました。バンコクと周辺県で331バーツ、その他の県で313バーツ~325バーツの範囲となりました。 2022年:さらなる引き上げ    - 高水準のインフレ率やコロナ禍からの経済回復を見据え、再度の引き上げが行われました。バンコクと周辺県で353バーツ、その他の県で328バーツ~345バーツの範囲に設定されました。 2025年:大幅な引き上げ    - タイ政府は当初、最低賃金を全国一律400バーツに引き上げるとしていましたが、経済界等の反対もあり、結果的にチョンブリ等の一部の地域のみを400バーツとしました。今回発表された引き上げにより、チョンブリ等の一部地域を400バーツ、その他の県で337バーツ~380バーツの範囲での改定となりました。 この推移から、タイ政府が段階的に最低賃金を引き上げ、労働者の生活水準向上を図ってきたことがわかります。特に2013年の全国一律化と、2025年の大幅な引き上げは、タイの労働政策における重要な転換点と言えるでしょう。 タイ政府は2027年までに最低賃金を全国一律600バーツに引き上げることを公約としています。予定通りに引き上げられるかは分かりませんが、今後も最低賃金が引き上げられることはほぼ確実で、人件費の高騰に拍車がかかる可能性があります。 タイ政府のこの決定は、短期的には企業にとって負担増となる可能性がありますが、長期的には国内消費の活性化や人材の質的向上を通じて、タイ経済全体の持続可能な成長につながることが期待されています。同時に、この政策が成功するためには、企業の生産性向上や、教育・職業訓練の充実など、補完的な政策も重要になってくるでしょう。 まとめ 2025年1月1日からのタイの最低賃金引き上げは、タイ経済と労働市場に大きな影響を与える重要な決定です。チョンブリ等の一部地域では1日あたり400バーツまで引き上げられ、その他地域は337バーツ~380バーツに引き上げられます。この決定は、物価上昇への対応と労働者の生活水準向上を主な目的としています。日本人駐在員や日系企業にとっては、生活コストの変化や人件費の増加など、様々な影響が予想されます。長期的には、タイの経済成長と社会の安定に寄与することが期待されますが、企業は生産性向上やビジネスモデルの見直しなど、適切な対応策を講じる必要があるでしょう。

タイ|大麻の一部合法化と日本人の働き方の変化

(日本語) タイの大麻合法化が2022年に実施されたことで、従業員・企業にも影響が及ぶことは避けられません。本記事では、タイの大麻合法化の背景や目的、対象となる使用方法、日本人に関する影響を解説します。さらに、労務管理や事業所内での対策について具体的な内容例を提示し、その適切な方法について説明いたします。この機会に、大麻に関する基礎知識をおさらいし、適切な対応ができるようになりましょう。 タイ|2022年一部大麻利用等の合法化 タイでは、2022年より一部の大麻利用が合法化されることとなりました。この施策は、医療や研究の目的での大麻使用を認めるものであり、多くの人々にとって画期的な変化をもたらします。この記事では、合法化の背景や目的、対象となる大麻の使用方法、そして今回の合法化が日本人に与える影響について詳しく解説致します。※2023年時点の情報ですので、今後法改正される可能性があります。 合法化の概要 近年、大麻の合法化が世界的に進展しており、タイでも医療目的での使用が認められるようになってきました。ただし、娯楽目的での使用は依然として禁止されており、違法な取引や栽培は厳しい罰則が適用されることに変わりはありません。合法化の背景には、大麻に含まれる成分が様々な病気の治療効果があるとされる研究結果が報告されていることが挙げられます。例えば、てんかんやがんに対する緩和効果などが期待され、海外では多くの患者さんが医療用大麻を利用しています。 また、大麻の合法化に伴い、関連する事業やサービスが急速に拡大しており、新たな市場や雇用機会の創出が期待されています。このような背景から、今回のタイでの医療用大麻の合法化は、一部制限が設けられた形ですが、多くの日本人企業も注目しています。さらに、医療用大麻の専門知識や法務に関するセミナーや顧問サービスが提供されており、患者さんや企業が安心して取り組むことができる環境が整ってきています。一方で、合法化されている大麻には、THC含有量に制限が設けられており、THCが0・2%未満の大麻抽出物に限られます。これを超えると違法となります。今後、このタイでの医療用大麻の合法化がどのような社会的影響を与えるのか、引き続き注目されていくことでしょう。 合法化の背景と目的 タイにおける大麻合法化の背景には、医療や研究分野での大麻の有益性が認められたことが大きな要因となっています。大麻は、痛みの緩和や不安の軽減、吐き気の抑制など、様々な症状に対する治療効果が期待されており、これを活用することで多くの患者が救済されることが期待されています。また、この合法化により、大麻関連の事業やサービスが広がり、新たな経済的効果が生まれることも見込まれています。 合法化対象となる大麻の使用方法 今回の合法化では、医療や研究の目的での大麻使用が認められることになりますが、対象となるのは一部の使用方法に限定されています。例えば、含有する成分の範囲内であれば、抽出物やエキスを利用した医療や研究が可能となります。また、一部の食品や化粧品への大麻成分の添加も認められることとなりますが、娯楽目的での使用は依然として禁止されています。 今回の合法化と日本人に関する影響 今回のタイにおける大麻の一部合法化は、日本人にも影響を与える可能性があります。例えば、タイで働く日本人が大麻関連の事業に携わる機会が増えることや、タイ滞在中の日本人が医療目的で大麻を使用するケースも増えるでしょう。ただし、日本の法律では大麻は違法であり、海外での医療目的の大麻使用も適用されないため、日本に帰国した際には厳しい法的制裁が待っていることを忘れてはなりません。 医療目的での大麻使用の詳細 タイでの医療目的での大麻使用については、一定の条件が設けられております。まず、患者さんは医師と相談して、大麻使用の必要性があると診断された場合に限り、使用が認められます。さらに、医療用大麻の取得や利用には、登録や通知が必要とされています。これによって、適切な管理が行われ、患者さんだけでなく、関係者も安全に対応できます。また、医療用大麻の提供に関しては、指定された業務を行うことができる専門の事業者やサービスが選ばれることとなります。これにより、品質の管理が適切に行われ、患者さんに安心して使用してもらえるような状況が整えられています。要約すると、タイでの医療目的での大麻使用には、適切な診断や管理のもと、患者さんや事業者が安全に対応できる環境が提供されていることが分かります。 大麻使用に関する労務管理のポイント 医療目的や今回合法化されたTHCの含有率が0.2%未満のものの飲食等以外は依然として違法になります。合法化された大麻についても、就業時間中や事業所内での使用については就業規則等にて制限できるものと考えられます。医療目的で使用が必要な場合は医師の処方箋を提出する等の措置を取った上で許可することも検討する必要があります。 違法大麻使用に関する労務管理では、以下のポイントが考慮されるべきと考えます。 大麻取引や使用は国によっては違法であり、企業の評判や業務継続に影響を与える可能性があるため、法令遵守を徹底させる。 就業規則において、違法大麻使用に関する禁止事項を明確に記載し、従業員に周知徹底を図る。合法化された大麻についても就業中や事業所内の使用、栽培について制限を設ける。 万が一、違法大麻使用が発覚した場合は、就業規則に則り適切な処分を行い、他の従業員に対しても厳正な態度を示す。 従業員の健康・安全管理のため、定期的な健康診断を実施し、薬物使用に関する注意喚起を行う。 これらのポイントは、企業の法的リスクを低減させるだけでなく、働く従業員が安心して業務に取り組むことができる環境を整えるためにも重要です。 事業所内への持ち込みの禁止も可能 事業所内において違法大麻の持ち込みを禁止することは、業務上の目的や労務管理の観点から、十分に考慮されるべき事項です。例えば、従業員が違法な麻薬を所持することによる懲戒処分や解雇、それに伴う損害賠償請求など、企業にとって重大なリスクが生じる可能性があります。そのため、事業所内での大麻の持ち込みや使用を禁止する規定を設けることが望ましいでしょう。合法化された大麻についても就業時間中や事業所内の使用について制限することは可能と考えられます。ただし、このような規定の設定に当たっては、適切な労働条件の変更や就業規則の整備が求められます。例えば、事前に労働組合や従業員に対して十分な説明・協議を行い、合意形成を図ることが大切です。 事業所内での禁止措置の具体例 事業所内での大麻禁止措置としては、以下のような具体例が挙げられます。 勤務中の大麻の使用を禁止する規定を設ける(医療目的は別途規定) 麻薬類所持の禁止とその違反時の処分方針を明記 違法行為の摘発や通報制度を整備し、従業員に周知 これらの措置は、適切かつ厳格な運用が求められる。また、社内教育や情報提供によって、従業員の意識向上を図ることが重要です。 事業所内での大麻栽培の禁止も可能 事業所内での大麻栽培も、同様に禁止することが可能である。大麻栽培はしばしば違法行為と結びつくことから、企業の社会的信用や責任を損なう恐れがあります。そのため、事業所内での栽培に対する厳格な規制を設け、従業員の抑止力を高めることが望ましいでしょう。ただし、大麻に関する規制は国や地域によって異なるため、その点に留意しながら対応を検討することが重要です。 合法化の影響と対策のまとめ 大麻の合法化が進む現状において、事業所内での管理や禁止措置が不可欠であることを理解し、適切な対策を講じることが重要です。事業所内での大麻禁止措置を規定し、違反時の処分や法的な対応を明確にすることで、企業の信用や評価を守ることができます。さらなる情報収集や対策の研究が必要な場合は、専門家や他の事業所の事例を参考に、効果的な対応策を検討することが望ましいでしょう。今後もこの問題に積極的に取り組み、常に最新の情報を把握し、適切な対応を進めていくことが求められるだろう。